はじめに
労働基準監督署の調査は、企業が労働基準法や最低賃金法などを遵守しているか確認するために実施されます。特に中小企業では、調査の通知が来ると慌ててしまうことも。この記事では、調査の種類・対応方法・必要な準備 について解説します。事前に知識を身につけ、適切に対応しましょう。
1. 労働基準監督署の調査の種類
労働基準監督署の調査には、大きく分けて以下の4種類があります。
調査の種類 | 内容 | 発生条件 |
---|---|---|
定期監督 | 毎年の重点課題に基づく計画的な調査 | 労働局の指示により実施 |
申告監督 | 労働者の申告による調査(未払い賃金、不当解雇など) | 労働者が労基署に申告 |
災害時監督 | 労働災害発生時の原因調査と指導 | 死亡・重度の労働災害発生時 |
再監督 | 是正勧告に従わない企業への追加調査 | 改善報告の未提出・違反の放置 |
💡 ポイント:
調査は「計画的なもの」だけでなく、労働者の申告や事故 によって急に入ることがあります。日頃から適切な労務管理を行うことが重要です。
2. 調査で特にチェックされるポイント
調査の際には、以下の点が重点的にチェックされます。
- 労働時間管理
- タイムカードや勤怠システムの記録
- 36協定(時間外労働の協定)が適切か
- 未払い残業代がないか
- 雇用契約・賃金
- 雇用契約書が適切に交付されているか
- 最低賃金を下回っていないか
- 賃金台帳の管理が適切か
- 安全衛生管理
- 従業員の健康診断実施
- 労働災害発生時の報告義務
- 安全衛生推進者の選任(従業員10~49名)
💡 ポイント:
不備があると是正勧告を受ける可能性があります。特に「未払い残業」「36協定違反」「健康診断の未実施」などは、指摘されやすい項目です。
3. 調査通知を受けたときの対応手順
✅ 1. 通知の確認と日程調整
- 労働基準監督署から書面または電話で調査通知が届く
- 指定日時に対応が難しい場合は早めに日程変更を相談
✅ 2. 必要書類の準備
調査当日には以下の書類を準備しましょう。
書類名 | 内容 |
---|---|
労働者名簿 | 従業員の基本情報一覧 |
雇用契約書 | 労働条件を明記した書類 |
出勤簿・タイムカード | 労働時間の記録 |
賃金台帳 | 給与支払いの詳細 |
就業規則 | 社内のルール(10名以上の事業場で義務) |
36協定 | 残業時間の取り決め |
年次有給休暇管理簿 | 有給休暇の取得状況 |
健康診断の結果 | 従業員の健康状態 |
💡 ポイント:
必要な書類が揃っていないと、後日追加調査になることも。普段から適切な管理 を行いましょう。
4. 是正勧告を受けた場合の対応
調査の結果、法令違反があると「是正勧告書」が交付されます。
✅ 是正勧告を受けたら?
- 改善策を検討
- 例:「未払い残業が指摘された場合、速やかに計算し支給する」
- 是正報告書を提出
- 労基署に改善内容を報告(フォーマットは特になし)
- 継続的な管理
- 再監督(再調査)が入らないよう、運用改善を行う
💡 ポイント:
是正勧告には強制力はありませんが、従わないと再調査や企業名公表 のリスクがあります。
5. 違反を放置するとどうなる?
労働基準監督署の指導に従わなかった場合、企業に以下のリスクが発生します。
リスク | 内容 |
---|---|
再監督の実施 | さらに厳しく調査される |
送検(司法処分) | 重大な違反の場合、企業名が公表される |
罰則(罰金30万円以下) | 虚偽報告・調査拒否など |
求人の不受理 | 法令違反の企業はハローワークで求人掲載不可 |
💡 ポイント:
企業名が公表されると、取引先や求職者からの信頼を失い、経営に悪影響が出る可能性があります。早めの対応が重要です。
まとめ
労働基準監督署の調査は、中小企業経営者にとって避けて通れないものです。調査が入ったときに慌てないよう、日頃から労務管理を適切に行うこと が大切です。
✅ 事前準備のポイント
- 労働時間・給与管理を徹底
- 雇用契約書や就業規則を整備
- 必要書類を揃え、すぐに提出できるようにする
📢 もし調査が入ったら、落ち着いて対応し、適切に改善を進めましょう!
関連法令
- 労働基準法 第101条(監督機関による臨検等)
労働基準監督官は、事業場に立ち入り、帳簿や書類の検査、事業主や労働者への質問などを行う権限を有しています。 - 労働基準法 第104条(申告)
労働者は、労働基準法に違反する事実を所轄労働基準監督署に申告することができます。
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