はじめに
事業の成長とともに、従業員数が10人以上になると、労務管理に関する法的義務が増えます。適切な対応をしないと、罰則の対象となることも。この記事では、10人以上の事業場が対応すべき主な労務管理のポイントを解説します。
1. 安全衛生推進者の選任
安全な職場環境を整えるために、安全衛生推進者を選任する義務があります。
✅ 選任のポイント
- 対象:常時使用する従業員が10~49人の事業場
- 役割:労働災害の防止、安全衛生の指導
- 選任期限:該当事由発生後 14日以内
- 報告義務:なし(ただし、社内掲示は必須)
適切な人材がいない場合、労働安全コンサルタントや労働衛生コンサルタントを外部委託することも可能です。
2. 就業規則の作成・届出(罰則あり)
従業員10人以上の事業場は、就業規則の作成と労働基準監督署への届出が必須です。
✅ 作成のポイント
- 就業規則の記載事項
- 絶対的必要記載事項(必ず記載が必要)
- 労働時間・休日・休暇
- 賃金(決定・計算・支払方法)
- 退職に関する事項 など
- 相対的必要記載事項(定める場合に記載)
- 退職手当、賞与、災害補償 など
- 任意的記載事項
- 福利厚生、研修制度 など
- 絶対的必要記載事項(必ず記載が必要)
- 届出の流れ
- 就業規則を作成
- 過半数労働組合または従業員代表の意見書を添付
- 労働基準監督署へ提出
- 従業員がいつでも閲覧できるようにする
- 社内サーバーで共有
- 印刷して掲示・配布
📢 届出を怠ると、30万円以下の罰金が科せられるため注意!
3. 法定労働時間の特例の適用外
従業員10人以上になると、一部の業種で適用されていた「週44時間労働」の特例措置が使えなくなります。
✅ 変更点
- 従業員9人以下 → 週44時間までOK(特例措置対象)
- 従業員10人以上 → 週40時間が適用
特例措置が適用されていた事業場は、就業規則や雇用契約書の見直しが必要です。
4. 男女別トイレの設置
従業員11人以上の事業場では、男女別のトイレを設置しなければなりません。
✅ 設置義務の詳細
- 従業員10人以下:独立個室型の共用トイレでOK
- 従業員11人以上:原則、男性用・女性用に分けたトイレが必要
建物の構造上、設置が難しい場合は事前に行政へ相談するのが望ましいです。
まとめ
従業員10人以上の事業場は、以下の4つの対応が必須です。
項目 | 対応内容 | 期限 | 罰則の有無 |
---|---|---|---|
安全衛生推進者の選任 | 労働災害対策の責任者を決める | 14日以内 | なし |
就業規則の作成・届出 | 労働基準監督署へ届出 | 早めに | 30万円以下の罰金 |
法定労働時間の適用変更 | 週40時間に変更 | 即適用 | なし |
男女別トイレの設置 | 11人以上で必須 | 即適用 | あり |
これらの義務を怠ると、労務トラブルの原因になり、企業の信用問題にもつながります。早めに対応し、健全な職場環境を整えましょう。
✅ さらに詳しく知りたい方へ
厚生労働省の公式情報もチェックしましょう!
💡 人事・労務の専門家と相談しながら進めるのもおすすめです。 労務管理を強化し、安心して事業を拡大しましょう!
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